AIでホームページが作れる時代に、制作を外注する意味はあるのか

仕組みと導線の設計

AIを使うことで、ホームページは以前よりもかなり簡単に作れるようになりました。

文章のたたき台を作る。ページ構成を考える。デザイン案を出す。コードを書く。

こうした作業は、AIを活用すれば誰でも短時間で可能です。さらに、AIツールによっては、参考にしたいサイトのURLを伝えるだけで、そっくりのデザインのコードを作り、文章だけ自社向けに変えたページを作ることもできます。

つまり、以前なら専門の業者に頼まなければ難しかったことが、今では専門知識がなくても簡単にできるようになっているのです。

では、制作を外注する意味はなくなったのか?

・参考サイトをもとにクライアントが希望するデザインで作る。
・文章はクライアントが作ったものをそのまま使う。
・SEO周りの最低限の設定をして公開する。

といった内容で、安価にホームページだけ制作する業者に外注する意味はほとんどないと言って問題ないでしょう。基本的にAIで代替できる内容だからです。

では、どういった場合に制作を外注する意味があるのか。この記事では、AIでホームページを簡単に作れるようになった時代において、制作を外注する意味はどこにあるのかをお伝えします。

AIでホームページの制作は、どこまで自作できるようになったのか

結論から言うと、AIを使えばホームページの「形」を作ることは、めちゃくちゃ簡単に自作できます。

以前は、ホームページを作るには専門的な知識が必要でした。

文章を書く。
デザインを作る。
HTMLやCSSを書く。
画像を用意・加工する。
WordPressの設定をする。

こうした作業をすべて専門知識なしに行うことは簡単ではありませんでした。

しかし今は、AIやノーコードツール、テンプレート型のホームページ作成サービスなどを使えば、専門知識がなくても「形」は作れます。そういう意味では、ホームページを自作するハードルは大きく下がっています。

AIが代わりに進めてくれる制作作業とは

AIが代わりに進めてくれるのは、ホームページを制作する作業です。

たとえば、ホームページに載せる文章のたたき台を作れます。会社紹介文や商品・サービスの説明、代表挨拶、よくある質問なども、最終的に編集は必要になりますが、ある程度の品質の文章が作成できます。

また、参考にしたいサイトのURLを伝えれば、わずかな時間で、そのサイトと酷似したデザイン・構成の自社サイトを作れるツールもあります。

つまり、ホームページ制作に必要な「作業」の多くは、以前よりも簡単になっています。これは大きな変化です。

早く・安く公開できることの大きな価値

AIを活用してホームページを自作する大きなメリットは、コストとスピードです。

外注すれば、安くても30万円程度の制作費がかかります。打ち合わせや確認にも時間がかかります。一方で、自作であればコストを抑えながらスピーディーに公開できます。

まだ事業を始めたばかりで予算が限られている。
とりあえず最低限の情報を掲載したい。
既存のお客様や紹介相手に見せるページがほしい。

このような場合には、AIやテンプレートを使って自作するのも有効です。ホームページに大きな集客機能を求めていないなら、最初から大きなコストをかける必要はありません。

AIで作れるようになったからこそ、見落としやすいこと

AIで作りやすくなったのは確かですが、それはあくまで形式的な形だけです。

実際にホームページを作るとなると、「誰に向けて何を伝えるのか」「どのような流れで問い合わせや相談につなげるのか」「自社のどんな強みを打ち出すのか」など、考えなければならないことがたくさんあります。

こうしたことはAIで回答を得ようと思っても、一般的な回答の域を出ません。そうした回答をもとに作るホームページは、表面的な形はできていても、それ以上のものはできません。

AIを活用してホームページを簡単に作れるようになったからこそ、作る前に何をどう整理するかがより重要になっています。

AIで作ったホームページが成果につながらない理由

ホームページの形ができることと、ホームページで期待する成果が出ることは同じではありません。ここを間違ってしまうと、ホームページはあるのに問い合わせが来ない、アクセスはあるのに相談につながらない、というありがちな状態になってしまいます。

これはAIが悪いわけではありません。問題は、誰に向けて、何をどのように伝え、どう行動してもらうのかが決まらないまま作ってしまうことです。

参考サイトを真似しても、同じ結果にならないのはなぜか

成果が出ていると思われるサイトを真似しても作っても同じように成果が出ないのは、ホームページの成果がデザインだけで決まっているわけではないからです。綺麗で格好良いホームページなら成果が出ると思ってしまう方が多いのですが、現実はそう簡単ではありません。

AIを使えば、気に入ったサイトのようなデザインを作ることはできます。

「このサイトのような雰囲気にしたい」
「この構成を参考にしたい」
「このデザインで、自社の文章に変えたい」

このような依頼も、AIを活用すれば簡単にできます。

しかし、ここで注意したいのは、デザインだけを真似しても、そのサイトが成果を出している理由まで真似できるわけではないということです。

なぜ、その配色にしているのか。
なぜ、そのファーストビューになっているのか。
なぜ、その順番で情報を見せているのか。
なぜ、その言葉を使っているのか。
なぜ、その導線で問い合わせにつなげているのか。

参考にしているサイトには、その会社としての顧客理解や販売導線、サービス特性があります。

それを知らないまま「見た目が好きだから」という理由で真似しても、自社に合うとは限りません。デザインは、ただの見た目ではありません。本来は、誰に何をどう伝え、どう行動してもらうかという設計の上に成り立つものです。設計思想を理解しないまま表面だけを真似しても、デザインは活きません。

きれいな文章なのに、なぜ印象に残らないのか

きれいな文章なのに印象に残らないのは、どの会社にも当てはまりそうな言葉ばかりになっているからです。

AIは文章を作るのが得意です。ただし、AIが出す文章は、どうしても一般的になりやすいです。

「お客様に寄り添います」
「丁寧に対応します」
「高品質なサービスを提供します」
「課題解決をサポートします」

こうした言葉は間違ってはいません。

しかし、多くの会社が同じようなことを言っています。そのため、読んだ人から見ると、どの会社も同じに見えてしまいます。特に、ひとりビジネスや小規模事業者の場合、選ばれる理由は商品やサービスの機能だけではありません。

どんな考え方で仕事をしているのか。
どんな価値観を大切にしているのか。
どんな人に向いているのか。
なぜその仕事をしているのか。

こうした「人」や「事業の背景」が伝わることで、相性の良いお客様から選ばれやすくなります。

AIで文章をきれいに整えることはできます。しかし、自社らしさや選ばれる理由を深く整理するには、事業そのものから見つめる必要があります。

問い合わせにつながるサイトと、見られて終わるサイトの違い

問い合わせにつながるサイトと、見られて終わるサイトの違いは、次の行動までの流れが用意されているかどうかです。

ホームページは24時間働く営業パーソンという言われ方をされることがありますが、作って公開すれば自動的に問い合わせが来るものではありません。そんなに甘いものではありません。

ホームページを見たあと、どのように相談へ進むのか。
どのページを読んでもらい、どのタイミングで問い合わせにつなげるのか。
まだ相談するほどではない状態の人に、何を見てもらってつながりを維持していくのか。

などの流れがなければ、ホームページは見られて終わります。

SNSで発信している。
ブログ記事を書いている。
広告を出している。
紹介でホームページを見てもらっている。

それぞれの入口があったとしても、その先の流れが整理できていなければ、成果にはつながりにくいです。

集客しているのに相談や受注につながらない場合は、ホームページだけでなく、その後の流れまで見直す必要があります。集客後の流れが成果に影響する理由については、こちらの記事でも解説しています。→集客後の流れが成果に影響する理由

AIでホームページは作れます。しかし、ビジネス全体の流れの中で、ホームページを機能させられるかは別の話です。

AI時代に、ホームページ制作を外注する本当の意味

ホームページの制作を外注する理由の多くは、「自分では作れないから」でしょう。どのようなビジネスでも専門知識がないとできないことは外注することが大半です。

デザインができない。
コーディングができない。
WordPressの設定が分からない。
文章をどう書けばよいか分からない。

AIを活用して簡単にホームページを作れるようになったとは言え、今でもこうした作業を依頼する意味はあります。とはいえ、AI時代においては、ホームページを安く作るだけの制作会社に依頼する意味はほぼありません。

これから依頼する意味がなくなる制作とは

これから依頼する意味がなくなるのは、ホームページを単体の制作物として、言われた通りに形にするだけの制作です。これは先ほども書いたとおり、AIで簡単にできることだからです。

しかも、圧倒的に短時間、低コストでできてしまいます。

もちろん、細かい調整や品質管理には人の手が必要な場面もあります。しかし、AIを使って形を作れてしまえば、必要な工数の大部分はAIが担ってくれることになります。

つまり、単なる作業としての制作は意味がなくなっていきます。今後は、ホームページを作る前の設計段階の内容によって制作を依頼する意味があるかないかが変わってくることになります。

成果につながるサイトは、作る前に何を整理しているのか

成果につながるサイトは、たとえば次のようなことを作る前に検討しています。

誰に来てほしいのか。その人はどんな課題を持っているのか。どの段階でホームページを見るのか。何を知れば相談したくなるのか。逆に、何が不安で問い合わせをためらうのか。

こうしたことを整理しないままページを作っても、内容はぼんやりしてしまいます。

また、ホームページにどんな役割を持たせるのかも重要です。

会社情報を確認してもらうためのサイトなのか。サービスの理解を深めてもらうためのサイトなのか。相談前の不安を解消するためのサイトなのか。自社の考え方や人柄まで伝えるためのサイトなのか。集客や採用の流れの中で機能させるためのサイトなのか。

ここが曖昧なままだと、見た目は綺麗でも、何を伝えたいホームページなのか分かりにくくなります。

ホームページは、ただ情報を伝えればいいわけではありません。誰に向けた情報なのか。何を理解してもらうための情報なのか。その情報を見た人に、次にどう感じてほしいのか。

そこまで整理されているからこそ、ホームページ全体に一貫性が生まれます。これは、AIに文章を作らせるだけでは難しい部分です。

お客様へのヒアリングで、なにをしているのか

成果につながるホームページで重要なものの一つが、「本当の強み」を見つけることです。

自社が強みだと思っていることと、お客様が価値を感じていることは、必ずしも同じではありません。自分たちでは当たり前だと思っている対応が、お客様から見ると大きな安心材料になっていることがあります。逆に、自社が一番押し出したい実績よりも、相談しやすさや説明の分かりやすさの方が選ばれる理由になっていることもあります。

こうした本当の強みは、自社内だけでは見つかりにくいことが多いのですが、実際にお客様にヒアリングすることで見えてきます。

なぜ依頼してくれたのか。
どこに安心感を持ってくれたのか。
他社ではなく、なぜ自社を選んだのか。
実際に利用して、どこに価値を感じたのか。

こうした質問を通じて答えを深く掘り下げて出てくる言葉を、ホームページの文章に落とし込むことが重要です。ここは、AIに任せるのが難しい部分です。

もちろん、既にある口コミやアンケート、インタビュー内容をAIに整理させることはできます。しかし、そもそもどの顧客に何を聞くべきか。返ってきた言葉のどこに本質的な価値があるのか。それをどう見込客に伝わる言葉に変えるのか。この部分には、人による解釈と設計が必要です。

こうしたお客様へのヒアリングなどを通じて、“真の”強みや選ばれる理由を見つける工程まで担ってくれる制作は、依頼する価値が高くなります。

制作会社に相談するなら、どこまで見てくれるか

AI時代にホームページ制作を外注するなら、見るべきなのは制作実績だけではありません。

その会社が、ホームページの周辺にある事業全体の流れまで見てくれるかが重要です。単に「きれいなサイトを作ります」という制作会社では、十分ではない場合があります。もちろん、デザインや技術力は必要です。

しかし、集客や相談、採用につなげたいのであれば、ホームページ単体ではなく、事業全体の流れを見てくれるかが大切です。

どんなお客様を集めたいのか。
今の集客導線はどこで止まっているのか。
ホームページの前に、SNSや広告、紹介などの入口があるのか。
問い合わせ後の流れは整っているのか。

特に、SNSやブログなどの発信をしている場合は、投稿からホームページ、そして相談までの流れがつながっているかを見ることが大切です。SNSから相談につながらない原因については、こちらの記事でも整理しています。→SNSから相談につながらない原因

こうした視点で考えられるかどうかによって、ホームページの役割は大きく変わります。AIで制作作業が簡単になるほど、外注先に求められる価値は「作る力」だけではなくなります。

何を作るべきか。
なぜ作るのか。
どの流れの中で機能させるのか。

そこを一緒に考えられることが、外注する意味になっていきます。

AI自作で十分なケースと、外注した方がよいケース

AIを使って自作するか、外注するかは、ホームページに求める役割によって変わります。ここでは、AI自作で十分なケースと、外注した方がよいケースを整理します。

AIを使った自作で進めてもよいケース

ホームページに大きな成果を求めていない場合です。たとえば、以下のようなケースです。

会社情報を最低限掲載したい。
名刺代わりのページがあればよい。
既存顧客や紹介相手に見せるだけでよい。
問い合わせ獲得を強く求めていない。
まずは予算をかけずに公開したい。

このような場合は、AIやテンプレートを使って自作してもよいでしょう。特に、事業初期でまだ方向性が固まりきっていない場合は、最初から大きな費用をかけるより、小さく作って試す方がよいこともあります。

外注を検討した方がよいケース

外注を検討した方がよいケースは、たとえば、ホームページから相談や問い合わせにつなげたい場合です。

単に情報を載せるだけではなく、読者に興味を持ってもらい、信頼してもらい、相談してもらう必要があります。そのためには、見込客の整理や導線設計が欠かせません。また、中~高単価の商品・サービスを扱っている場合も、外注を検討した方がよいです。

単価が高い商品は、その場の勢いだけで申し込まれることは多くありません。閲覧者は、比較し、検討し、不安を解消しながら判断します。そのときに、ホームページ上で何を伝えるかが重要になります。

さらに、自社の強みや選ばれる理由が整理できていない場合も、外注の価値があります。「自分たちの良さは分かっているつもりだけれど、言葉にできない」「他社との違いをうまく説明できない」

「実績はあるのに、ホームページでは伝わっていない気がする」このような場合は、制作そのものよりも、事業の整理と言語化が必要です。

SNS、広告、紹介、ブログ、採用などとホームページをつなげたい場合も同じです。複数の入口や目的があるほど、ホームページ単体ではなく、全体の流れを見て設計する必要があります。

また、自分で作ってみることで、自社のサービス内容や伝えたいことを整理するきっかけになる場合もあります。

最初から完璧なホームページを目指すのではなく、まずは最低限の情報を公開し、事業の変化に合わせて見直していく。そういう進め方であれば、AI自作は十分に選択肢になります。

まとめ

AIを使えば、ホームページの文章や構成、デザイン、コードまで、短時間で作れる時代になりました。参考サイトと同じデザインで作ることができるAIツールもあるため、ホームページ制作のハードルは本当に大きく下がったと言えます。

そのため、名刺代わりのホームページや最低限の情報を載せるだけのサイトであれば、AIを使って自作するので十分と言えます。

しかし、成果につながるホームページを作るのであれば話は別です。

誰に届けるのか。
何を伝えるのか。
どのような言葉・表現で伝えるか。
どのような流れで相談につなげるのか。
自社のどんな強みを打ち出すのか。

こうしたことが曖昧なままでは、見た目がいくら綺麗でも成果にはつながりにくいです。大切なのは、ホームページをビジネス全体の中でどう機能させるかです。

AIで作るか、外注するかを考える前に、まずは今の導線がどこで止まっているかを確認する。

そこから見直すことで、ホームページは単なる制作物ではなく、自然に「お願いします」と言われる流れの一部になります。

ホームページを作り直す前に、今の導線を整理してみませんか?

AIで作るか、制作会社に外注するかを考える前に、まずは今のビジネスの流れの中で、どこが止まっているのかを確認することが大切です。見込客が曖昧なのか、自社の強みが言葉になっていないのか、集客から相談までの流れがつながっていないのか。
簡単なセルフチェックで、見直すべきポイントを整理してみてください。

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