誰に届けるかの設計
目次
ホームページを作って、ブログ記事も増やしているのに、思ったように問い合わせにつながらない。
そんなとき、文章の書き方やデザイン、SEOの問題を考える方は多いと思います。
もちろん、それらも大切です。
しかし実際には、その前の段階である「誰に届けたいのか」が曖昧なまま進んでいることが、ホームページを機能しにくくしていることがあります。
特に、コーポレートサイトの中にブログを作って集客しようとすると、できるだけ多くの人に伝えたい発想になりやすく、内容や導線がぼやけやすくなります。
この記事では、ターゲットが曖昧なままホームページを作ると何が起きやすいのか、そしてどこから見直すとよいのかを整理します。
■ この記事を読むと、次のことが分かります。
・ターゲットが曖昧だと、ホームページの内容や導線がなぜぼやけやすいのか
・ブログ記事を増やしても問い合わせにつながりにくい原因がどこにあるのか
・ホームページを改善する前に、何を整理した方がよいのか

コーポレートサイトは、会社全体の情報を伝えるための性質が強いホームページです。
事業内容や会社概要、実績、考え方などを幅広く載せることが多いため、特定の相手に絞って強く訴求するよりも、広く見てもらう前提になりやすい性質があります。
そのため、事業全体の中での役割を整理しないままブログ集客まで考えると、誰に読んでもらうかよりも、多くの人に見てもらうことが優先されやすくなります。その結果、誰に向けて何を伝えるのかが曖昧になり、内容も導線もぼやけていきます。
もちろん、実際のビジネスでは、対応できる相手を最初から狭くしていないケースも多いと思います。しかし、ビジネスとして幅広く対応していることと、ホームページ上で誰にどう伝えるかを整理しないことは別の話です。
ホームページは、通り一遍の情報を載せるだけでは機能しにくく、
「誰に届くとよいのか」
「その人に何を伝えるべきか」
がある程度見えていないと、内容も導線もぼやけやすくなります。
特に、コーポレートサイトの延長でブログ集客まで考えている場合は、広く伝えようとするほど焦点がぼやけていきます。その結果、情報発信はしているのに、ホームページ全体としては問い合わせにつながりにくい状態になってしまいます。
実際のビジネスでは、最初から対応する相手をきれいに線引きできるとは限りません。
業種も規模もさまざまなお客様と仕事をしていたり、紹介や流れの中で想定していなかった相手から相談が来たりすることもあるでしょう。
そのため、ターゲットを明確にした方がよいと伝えると、
「でも実際は幅広く対応している」
「うちはそこまで絞っていない」
という反応になることがあります。
この反応は自然です。しかし、ここで分けて考えたいのは、「誰に対応できるか」と「ホームページで誰に伝わるようにするか」は同じではないということです。
現実の仕事では幅広く対応できる会社でも、ホームページまで広く曖昧に作ってしまうと、結果として誰にも伝わらないことがあります。あれもこれも伝えようとして情報が増え、内容が一般的になり、言葉も無難になり、読み手にとって「自分に関係ある」と感じにくくなるからです。
ホームページで必要なのは、対応できる相手を無理に狭めることではありません。
まずは、どんな相手に届くとよいのか、その相手に何を伝えると相談につながりやすいのかを整理することです。
たとえば、実際にはさまざまな業種に対応していても、「今の段階で特に力になりたい相手」や「これまで比較的うまく支援できた相手」がいるなら、ホームページではまずその人たちに伝わりやすい構成や内容にした方が、反応は出やすくなります。
逆に、誰にでも当てはまるように作ると、「幅広く対応しています」という事実は伝わっても、「この会社に相談してみよう」という気持ちまでは生まれにくくなります。
つまり、ターゲットを明確にするとは、商売の幅を無理に狭めることではなく、ホームページで伝える焦点を定めることです。この整理がないまま作ると、ホームページは何でも書いてあるけれど、誰の心にも強く残らないものになってしまいます。

ターゲットが曖昧なままホームページを作ると、単に内容がぼやけるだけではありません。
判断基準そのものが少しずつずれていき、結果として「何となく整っているけれど、反応しにくい状態」になりやすくなります。
本来、ホームページは読み手が知りたいことや相談前に感じる不安に答える形で情報を整理していく必要があります。しかし、ターゲットが曖昧だと、その判断基準が持ちにくくなります。
そうすると、
「自社として言いたいこと」
「自分が書きたいこと」
「とりあえず載せておきたい情報」
で構成されたホームページになってしまいます。
もちろん、それ自体が間違いとは限りません。しかし、読み手が知りたいことよりも発信側が伝えたいことが前に出ると、情報量は増えても相談につながるホームページにはなりにくくなります。
ホームページを作っていると、良かれと思って誰かに感想を聞きたくなることがあります。
そのときに、ビジネス仲間に意見を求めたり、ビジネスをしていない友人や知人に「どう思う?」と聞いたりすることは珍しくありません。
ここで重要なのは、そこで意見をくれる相手が本来ホームページを見てほしい見込客とは限らないことです。むしろターゲットではない人ほど、見た目の好みや言葉の印象、分かりやすさといった観点で感想を返しやすいことがあります。
その結果、本来届けたい相手に必要な情報よりも、周囲にとって分かりやすいかどうかが基準になり、少しずつ方向がずれていくことがあります。
情報発信をしていると、
「いい内容ですね」
「分かりやすいですね」
と言ってもらえることがあります。
それ自体は悪いことではありませんし、励みにもなります。しかし、褒めてくれた相手が本来見て欲しい見込客なのか、まったくの第三者的な立場の人なのかなど、相手がどんな人かは分けて考える必要があります。
ターゲットが曖昧だと、この違いが見えにくくなり、反応があったこと自体に安心してしまいやすくなります。でも、褒められることと、相談や依頼につながることは別です。
ホームページで見るべきなのは、好意的な感想があるかどうかだけではなく、来てほしい相手にとって必要な情報になっているかどうかです。
現場では、
「ターゲットという言葉が好きではない」
「人を絞る感じがして抵抗がある」
と感じる方も少なくありません。
実際、ビジネスはもっと複雑で、人を単純に分類できるものではないため、このような反応がおかしいとは思いません。
しかし、言葉への抵抗が強いあまり、「誰に届けたいのか」「どんな相手に伝わるとよいのか」という整理まで止まってしまうと、ホームページは結局ぼやけやすくなります。
大切なのは、「ターゲット」という言葉を使うことではありません。ホームページで誰に伝えたいのかを明確にすることです。
多くの人に伝えたいと思うこと自体は自然なことです。
特にコーポレートサイトの中でブログを運用していると、できるだけ幅広い人に読まれることを目指しやすくなります。
しかし、広く伝えようとするほど、言葉は無難になり、情報は総花的になり、読み手にとっての切実さが薄れやすくなります。その結果、誰が読んでも間違ってはいないけれど、誰の心にも強く残らない内容になってしまいやすいのです。
ホームページが機能するために必要なのは、読んだ人に嫌われないことではありません。来てほしい相手に、自分のことだと感じてもらうことです。
ターゲットが曖昧なままホームページを作ると、載せる情報だけでなく、使う言葉や表現も少しずつ無難になっていきます。それは、何を書けばよいか分からないからというより、誰に向けて、どんな気持ちの人に届けたいのかが定まっていないため、言葉の判断基準が持てなくなるからです。
ホームページでよく見かけるのが、
・お客様に寄り添います
・丁寧に対応します
・最適なご提案をします
・課題に合わせて柔軟に対応します
といった表現です。
もちろん、こうした言葉自体が間違っているわけではありません。
しかし、ターゲットが曖昧なままだと、こうした“誰にでも悪く見えない言葉”が増えやすくなります。
その結果、ホームページ全体としては形となっていても、読み手にとっては
「結局、自分に何をしてくれるのか」
「自分の状況にも合っているのか」
が見えにくくなります。
ホームページで大切なのは、正しいことを書くことだけではありません。読み手に「これは自分に関係ある話かもしれない」と感じてもらえることが大切です。
しかし、ターゲットが曖昧だと、どんな悩みを持つ人に向けて書くのかが見えないため、表現はどうしても抽象的になります。そうすると、内容は間違っていなくても、読み手の中ではなんとなく良い情報を知れたとなっても、印象には残りにくくなります。
誰にでも当てはまりそうな言葉は、誰にも強く刺さらないことが多いのです。
たとえば、同じサービスでも、相手によって知りたいことは違います。安心して相談できることを重視する人もいれば、実績や専門性を重視する人もいます。費用の考え方が知りたい人もいれば、自分の状況に合うかどうかをまず知りたい人もいます。
この違いが見えていれば、何を先に伝えるか、どこを厚く説明するかも変わってきます。逆に、そこが曖昧なままだと、誰にでも当てはまりそうな内容を並べるしかなくなり、結果として言葉も一般論に寄りやすくなります。
つまり、ホームページの言葉が無難になりやすいのは、表現力が足りないからではなく、誰に届けるかが曖昧なままだからです。
ホームページの言葉が伝わらないと感じたとき、キャッチコピーや文章表現を変えたくなることは多いと思います。もちろん、表現の見直しが必要なこともあります。
しかし、その前に考えたいのは、「この言葉は、誰に向けた言葉なのか」ということです。
ここが曖昧なままでは、どれだけ表現を考えても、結局また無難な言葉に戻りやすくなります。反対に、まず届けたい相手が見えてくると、使うべき言葉も、削るべき言葉も判断しやすくなります。
ホームページの言葉を良くしたいときほど、文章のテクニックだけではなく、誰に向けて書くのかを先に整理することが大切です。

コーポレートサイトの中にブログを作ることで、検索流入を増やしてホームページ全体の反応を良くしたいと考える人は多いと思います。実際、記事数が増えれば、検索で見つけてもらえる入口は増えていきます。
ただし、ここで気をつけたいのは、検索流入が増えることと、問い合わせにつながることは同じではないということです。
ブログからの流入を増やそうとすると、多くのアクセス数が見込めそうなテーマで記事を書きたくなります。そうするとテーマが大きくなり、伝える内容も自然と広くなります。
しかし、多くの人に読まれることを優先しすぎると、
「本当はどんな人に読んでほしいのか」
「その人に次にどう動いてほしいのか」
という視点がないまま、記事を書くことになりがちです。
その結果、アクセスはあっても相談や問い合わせにはつながりにくいということになります。
ブログ記事は、検索した人の疑問に答えるものとしては機能していても、その人が「この会社に相談してみよう」と思うところまでつながっていないことがあります。
よくあるのは、記事としては役に立っていても、
・どんな相手に向いている会社なのか
・どんな考え方で支援しているのか
・どんな人が相談すると合いやすいのか
といった情報が、ホームページ全体の中でつながっていない状態です。
つまり、記事は読まれているのに、会社として選ばれるところまでは届いていないということです。
ターゲットがある程度見えていれば、その記事を読んだ人に
・どんな関連記事を読んでほしいのか
・次にどのページを見てほしいのか
・いきなり問い合わせではなく何を挟んだ方がよいのか
といった出口も考えやすくなります。
逆に、ターゲットが曖昧なままだと、記事の目的が「とりあえず読まれること」になりやすくなります。そうすると、記事がホームページ全体の中でどんな役割を持つのかも曖昧になり、流入はあっても反応につながりにくくなります。
ブログは、ただ記事数を増やせば機能するものではありません。
大切なのは、その記事がどんな相手に向けた入口なのか、そしてその人をホームページ全体の中でどこに案内したいのかです。
ここが整理されていないと、記事は増えても「読まれて終わる記事」が増えていきやすくなります。
反対に、まず届けたい相手が見えていれば、記事テーマの選び方も、記事の中で伝える内容も、次につなげる導線も考えやすくなります。つまり、ブログ記事が問い合わせにつながりにくいときも、見るべきなのは記事数だけではなく、誰に向けた入口になっているかということです。
ここまで読むと、「やはりターゲットを絞らないといけないのか」と感じる方もいるかもしれません。
ここで言いたいのは、実際の商売の幅を無理に狭めましょう、ということではありません。ホームページで必要なのは、最初に誰に届くように作るかを明確にすることです。
実際のビジネスでは、幅広い相手に対応していることも少なくありません。
紹介や既存のつながりから、想定していなかった相手と仕事になることもありますし、最初から業種や条件を厳密に絞っていないケースも多いと思います。
それ自体はまったく悪いことではありません。むしろ、小規模事業では柔軟に対応できることが強みになることもあります。
問題になりやすいのは、対応範囲が広いことではなく、ホームページまで広く曖昧に作ってしまうことです。
ホームページは、見た人全員に同じように刺さるものではありません。だからこそ大切なのは、まずどんな相手に伝わるとよいのかを整理することです。
たとえば、
・これまで比較的うまく支援してきた相手
・価値を理解してもらいやすい相手
・相談につながりやすい相手
・自社として力になりたい相手
こうした相手がある程度見えてくると、ホームページで何を伝えるべきかも見えやすくなります。
誰に届けたいかが見えてくると、載せる情報の優先順位も、使う言葉も、次に読んでほしいページも決めやすくなります。つまり、ホームページの焦点が定まってくるということです。
ターゲットという言葉に抵抗がある場合は、「絞る」ではなく、焦点を定めると考える方がしっくりくるかもしれません。
実際、ホームページで必要なのは、誰かを排除することではなく、誰に伝わると機能しやすいかを明確にすることです。
たとえば、実際には幅広く対応していても、ホームページ上では
・今、特に力になりたい相手は誰か
・自社の考え方に共感してくれやすい相手は誰か
・まず最初に相談につながりやすい相手は誰か
を基準に考えた方が、内容は整理されやすくなります。
ホームページが機能しにくいときは、情報不足よりも、焦点の曖昧さが原因になっていることがあります。何でも書いてある、誰にでも対応できる、幅広く載っている。
それでも反応につながりにくいのは、読み手にとって「これは自分のためのホームページかもしれない」と感じにくいからです。
反対に、伝える相手がある程度明確になると、ホームページは単なる会社案内ではなく、来てほしい相手に届くためのものとして機能しやすくなります。
ターゲットを明確にするとは、商売を小さくすることではありません。ホームページがきちんと役割を持てるように、伝える焦点を定めることです。
ホームページが機能しにくいとき、原因はデザインやSEOだけとは限りません。
誰に届けたいのかが曖昧なままだと、内容も言葉も導線も少しずつぼやけていきます。
特に、コーポレートサイトの延長でブログ集客まで考えている場合は、多くの人に伝えようとするほど焦点がぼやけやすくなります。
大切なのは、商売の幅を無理に狭めることではなく、まず誰に届くホームページにするのかを整理することです。
もし今、記事を増やしているのに問い合わせにつながらないと感じるなら、見直したいのは表現の前に、誰に届けるかの整理かもしれません。
ホームページが機能しにくい原因をチェックしてみませんか
ホームページが機能しにくいとき、原因はデザインや文章だけにあるとは限りません。
誰に届けるのか、どんな流れで相談につなげたいのかが曖昧なままだと、部分的に整えても反応しにくいことがあります。
まずは、自社のホームページや導線が今どんな状態になっているのか、チェックしてみませんか。