WEB活用
新規ドメインでWEBサイトを制作した場合、グーグルやヤフー、Bingなどの検索エンジンの検索結果の上位に表示されるまで、一般的には最低でも3ヶ月程度かかるといわれます。しかし、WEBサイトを新規で制作するときは、新規でドメインを取るのが一般的です。
SEO対策をおこなうことで、もっと早く検索結果の上位表示ができないのか?と思いたくなる気持ちは分かります。でも、新しくWEBサイトを作って、すぐにアクセスがたくさん集まって、その中から問合わせや商品サービスの申込みが来るようになる、というほど甘いものではありません。
では、本当に新規ドメインで制作したWEBサイトは、最低でも3ヶ月間は検索結果の上位に表示することはできないのか?というと、結論からいうと、そんなことはありません。でも、もしかしたら、あなたの思っている検索結果の上位表示とは少し違うかもしれません。新規でドメインを取得して、新しくWEBサイトを制作しようと思っている方は、是非、読んでみてください。
そもそもドメインが何のことか分からない方もいるかもしれません。
ドメインは、弊社でいえば「bc-sol.com」を指します。
で、ドメインとは何かというと、インターネット上での住所にしばしば例えられます。インターネット上のどのパソコンにコンピュータに接続するのかは、IPアドレスというもので表します。IPアドレスは数字で192.168.0.1といった感じで表現されます。
WEBサイトの場所を、このIPアドレスで覚えようと思っても、覚えられませんよね?そこで、このIPアドレスと1対1で紐づけて覚えやすいように名前をつけるのがドメインとなります。
インターネット上の住所ですので、同じドメインはインターネット上に1つだけになります。同じ住所が2つ以上あったら困りますよね?ですから、既に使用されているドメインを使うことはできません。そこで、新しくWEBサイトを制作するときは、今現在使われていないドメインを新規で取得することになります。
ドメインとはなにか?分かったと思います。
では、新規のドメインはなぜグーグルなどの検索エンジンで3ヶ月程度は検索結果の上位に表示されにくい、もしくはされない、と言われているのでしょうか?
検索エンジンで検索をして、その検索結果の一覧にどのような順番で表示するかは、グーグルのアルゴリズムによって決まっています(ヤフーもグーグルの検索アルゴリズムを使用しています)。この検索アルゴリズム、完全にブラックボックス。なので、SEO会社やWEB制作会社がお客様のWEBサイトを運用する中で、きっとこんなアルゴリズムがあるに違いない、と思うことが積み重なって、さまざまな説が存在するようになりました。
グーグルがこんな検索アルゴリズムでWEBサイトを評価していますよ!と公開しているわけはありません。あくまで、推測から生まれたものです。ですから、事実のものもあれば、事実でないものも存在します。
新規ドメインでの検索結果の表示に関連した業界内に存在する説はどのようなものがあるかというと・・・
これは、ホームページ公開後、数日だけ検索結果が上位に表示されるというものです。ハネムーンの期間はサービスだよ、みたいな感じです。
しかし近年では、グーグルハネムーンがあると感じることは正直ないです。
これは、グーグルハネムーン後2週間程度、急激に検索順位が低下するというものです。
グーグルハネムーン同様、近年はこのようなアルゴリズムの存在は感じません。
新規ドメイン関連では、一番よく聞くアルゴリズムです。これは、新規ドメイン取得後、一定の期間が経たないと検索結果が上位に表示されないよう、グーグルでフィルターをかけているというものです。
では、一定の期間とはどのくらいか?というと、最低でも2,3ヶ月、長くて1年くらいというのが業界内の定説です。
エイジングフィルターは、グーグルハネムーンとグーグルサンドボックスと比べると、もしかしたらそういうものもあるのかも?と思う程度です。
グーグルの検索結果に表示されるには、そもそも、グーグルのデータベースにインデックス(登録)される必要があります。AというWEBサイトがあって、B、C、D、E、F、GというWEBページがあって、それらのWEBページはどのようなテーマのページで・・・といった具合に、検索結果に表示する元となる情報が蓄積されています。
このインデックス(登録)の方法が2種類ある、というのがグーグルのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏の過去の発言から分かっています。2種類とは、「ファスト トラック インデックス」と「プライマリ インデックス」です。
どうやら「ファスト トラック インデックス」によって、WEBサイトが仮評価の内容で、素早くインデックス(登録)され、その内容をもって検索結果に表示されるが、これは永続的なインデックス(登録)ではないとのこと。
「プライマリ インデックス」が通常のインデックス(登録)であり、正式にWEBサイトが評価され、その結果をもって 検索結果に表示され続けるが、この「プライマリ インデックス」までに時間がかかることがある、とのこと。
このインデックスの方法も実際にどのようなアルゴリズムなのかは、ブラックボックスなので分かりません。ただ、この2種類のインデックスが存在することで、グーグルハネムーンとグーグルサンドボックスのような事象は起こり得そうです。
「ファスト トラック インデックス」で高くWEBサイトが評価されてインデックス⇒新規ドメインでもすぐに高い評価で登録されて検索結果が上位に表示される。
しかし、「プライマリ インデックス」で正式にWEBサイトを評価した結果、評価が下がり突然、検索結果が圏外の順位まで急落してしまう。
「ファスト トラック インデックス」で評価が低く、かつ、「プライマリ インデックス」されるまでの期間が長いと、エイジングフィルターがかかっている期間が3ヶ月とか半年とか1年とか、そういった説が生み出されるのでしょう。
事実は分かりません。グーグルに聞いても教えてもらえませんから。
重要なことは、グーグルがどのようなアルゴリズムでWEBサイトを評価しているか?を想像することではありません。では、新規ドメインでも、検索結果の上位にすばやく表示するには、どうしたらいいでしょうか?そもそも、そんなことはできるのでしょうか?
あれやこれやグーグルの細かい検索アルゴリズムを考えても仕方がありません。グーグルが決してブレることなく言い続けていること、それをWEBサイトを作るときに意識することです。
それは、、、
検索ユーザーのニーズを満たすことです。検索エンジンは検索ユーザーが悩みや知りたいことなどのQを入力するもので、各WEBサイトやWEBページは検索結果一覧にQに対するAとして表示されるものだと。グーグルとしては、より検索ユーザーが満足するAを検索結果の上位に表示することが、顧客満足につながるのです。
あなたの見込み客がどのようなキーワードで検索して、あなたのWEBサイトに辿りつくことを想定していますか?このとき、キーワードとあなたのWEBサイトはQAの関係として、競合他社のサイトと比較して、より検索ユーザーにとって満足いく内容ですか?
検索ユーザーのニーズをより高く満たせる内容でWEBサイト・WEBページを作っていれば、ファスト トラック インデックスの段階から高い評価が得られはずです。「検索ユーザーのニーズをより高く満たせるかどうか」は、競合サイトとの比較であり、競合サイトが基準になります。
想定しているキーワードで競合サイトが多く、競合サイトが高い品質のWEBサイト・WEBページを作っているなら、WEBサイトが完成してすぐに検索結果の上位表示を達成することは、ほぼ不可能といっていいでしょう。運用しながら、改善をつづけていくことで順位が上昇していくのです。
一方で、想定しているキーワードで競合サイトが弱い場合は、簡単に検索結果の上位表示を達成できるでしょう。
ところで、検索結果で上位表示を目指すというと「トップページ」を思い浮かべる人が多いように感じます。
数年前くらいまでなら、トップページが全体のページビュー(閲覧)数の6割近くを占めるWEBサイトが多く、トップページのSEO対策を必死になってやっていた会社も多いでしょう。
しかし、ここ数年でワードプレスなどのCMSを使ったWEBサイトの構築が増え、自社で簡単にブログを更新できるようになりました。その結果、トップページだけでなく、ブログからの検索流入の比率が高まり、トップページのページビュー数は2~3割程度という会社が多くなってきています。
これは、単なる商品サービスの紹介のための(はっきり言ってしまえば売り込み)WEBサイトだけでは、なかなか問合わせにつながらない。見込み客の方たちに、専門家として信用・信頼してもらえるよう、専門家としてノウハウを伝えていくことで関係が構築されて、問い合わせにつながっていく、ということを意味しています。
ですから、ブログの機能を活用して、いかに検索ユーザーのニーズを満たす、専門家としてのブログ記事を書いていくかがWEB集客では重要になってきています。ということは、個々のブログ記事が検索結果の上位に表示されなければ、ブログ記事も読まれることがありません。
トップページだけではなく、ブログ記事の検索結果を上位表示できるようにしていくのです。新規ドメインでトップページが検索上位に表示されなくても、個々のブログ記事を上位に表示することは可能です。
基本的な考え方はここまでお伝えしてきたとおりです。
見込み客のニーズを満たす専門記事を書くことです。見込み客はなにに悩んでいるのか?なにに困っているのか?なにが課題なのか?どんな願望をもっているのか?・・・これらについて、専門家としてノウハウを伝える記事を書くことです。
この場合も、どんなキーワードで検索されたいか、そのキーワードで検索したときの競合の状況はどうか、によって難易度は変わってきます。
間違っても、記事をたくさん書けばいいと思わないでください。新規ドメインでWEBサイトを制作したら、3ヶ月100記事書いたくらいから急激にアクセス数が増える、という都市伝説のような記事をよくみかけます。中には実際にそうなった人もいるでしょうが、基本的には3ヶ月にも、100記事にもなんら根拠はありません。
もし、検索ユーザーのニーズを高い水準で満たす記事が100記事もあれば、それは新規ドメインか否かにかかわらず、当然アクセスは増えます。逆に、検索ユーザーのニーズを満たせない質の悪い記事をたくさんアップしつづければ、WEBサイト全体として評価が下がってしまいます。
想像してみてください。
WEBページが110あるWEBサイトで、そのうち100WEBページの品質が悪かったら?100/110の割合で、読む気にならない、読んでもなにも得ることがないWEBサイトだったら?1つ1つの記事はもちろんのこと、WEBサイトとして価値がないと評価されてしまうのは分かりますよね?
2018年6月1日から公開したWEBサイトの事例を紹介します。
公開にあたり、5月下旬に新規ドメインを取得し、グーグルにインデックス(登録)してもらうため、グーグルサーチコンソールから「Fetch as google」と「sitemapの送信」を5月31日夜に行い、翌日の6月1日にインデックスされました。
繰り返しますが、今は、WEBサイトのコンテンツが重視され、検索ユーザーの検索ニーズを満たすページを、よりたくさん持つWEBサイトが上位表示される時代です。新規ドメインのため、ただでさえ検索結果が上位になるまでアクセス数に期待できない状況です。それに加えて、7ページと少ないページ数で公開したため、検索結果を上げるのには多少不安がありました。
WEBサイトを公開する時点で、検索ユーザーの検索ニーズを満たすページをたくさん作っておければ良いのですが、なかなかそうもいきません。コンテンツを作るための原稿作成が嫌になってしまって公開自体が先延ばしになるリスクがあります。それを避けるために、スピーディーに小さく作っておいて、公開後にそこからコンテンツを追加していき、大きく育てて行くことがお客様のためにも良いと考えています。
耳鼻咽喉科などの医院であれば、病気に関して説明するページを作ってコンテンツを増やしていきます。特に、自院が力を入れている治療や、患者さんが心配になってよく検索する症状などを中心に、ページ作成の優先順位を決めて作っていきます。
とはいえ、医院の先生はお忙しいです。ご多分の漏れず耳鼻咽喉科の先生もお忙しく、ホームページ公開後、すぐに新しいコンテンツを作り始めることはできません。AMとPMの診察の合間は、お食事・休憩以外に、医薬品メーカーのMRの方がいらっしゃって対応したり、本当にお忙しいのです。
耳鼻咽喉科ですので、「地域名 耳鼻科」での検索がもっとも多くなります。そのため、メインとなる地域名2つでの上位表示が目標でした。
具体的な地域名はお客様との関係上伏せさせていただきますが、新規ドメインであっても検索結果が上位に表示されるまでに、そこまで期間を要さないことが、以下の検索順位の推移で分かると思います。
「aaa 耳鼻科」・・・6月頭に21位➡7月頭に7位、7月中旬以降2~3位、9月以降は2位
「bbb 耳鼻科」・・・6月頭に32位➡7月頭以降は4位
新規ドメインで新しくWEBサイトを作る場合は、少なくとも3ヶ月はなにも起きないと考えた方が良いです。はやる気持ちは分かりますが、これだけWEBサイトが増え、競合他社もWEBサイトをもっている時代に、そんなに簡単に検索結果の上位表示を実現できると考える方が無理があります。
この時期に小手先のSEO対策を実施すると、かえって上位表示までの期間が長くなってしまうこともあります。むしろ、もう少し中期的な視点をもった方が良いでしょう。まず、3ヶ月で上位表示されることでなく、その後検索順位が安定すること、安定的に右肩上がりに上がっていけるように、見込み客が欲している情報はなにか?何をつたえると喜ばれるか?といったコンテンツを考えることが本質的なSEO対策と言えるでしょう。