間違えたセールスライティングで信用を失った行政書士の投稿

マーケティング

From:馬場 宏
溝の口のオフィスより、、、

先日、6年ほど前に知り合った、とある行政書士のFacebookの投稿を見て、とても残念な気持ちになりました。

その行政書士とは、私のメンターの一人であるN先生の忘年会で初めて会いました。そのときの印象は、口下手、気弱、絵にかいたような真面目。そんな感じの人でした。

独立している人ではなく、事務所に勤務している勤務行政書士だったのですが、あまりにコミュニケーションを取るのが苦手だし、すぐにマイナスの思考になってしまうので、独立しなければいいなと勝手に心配していました。

難解な文章だけど行政書士として信頼できる人

その後はほとんど会う機会もなく、近況を知るのはもっぱらFacebookの投稿でした。彼が投稿する内容は、性格がにじみ出ている、超が2個も3個も付くような真面目な内容でした。

行政書士の専門的な内容だけじゃなくて、読んだ本の感想とか、参加したイベントの感想とか、そういう投稿もありました。

ジャンルに関係なく、どんな内容でもなぜか滅茶苦茶難しく感じる文章を書いていて、ある意味これはこれで才能だ!って思う、読み手にこの人は絶対に「真面目」で「誠実」「裏切らない」「親身になってくれそう」、そんな印象を与える文章でした。

まあ、とはいえ、さすがに改行の位置、ひと段落の量、漢字の多さ、このあたりは直した方がいいのは間違えありませんでしたが。

それでも、私だけでなく、その行政書士の投稿が好きだった人は、それなりにいたはずです。それに、なにか行政書士に依頼する案件があるときは、この人に依頼しよう、そう思っていた人も少なからずいたはずです。

ライティング塾に参加して文章がガラリと変化

しかし、ある日、彼の投稿はガラリと変わりました。。

変わってしまったきっかけは、その投稿を始める前の投稿で分かりました。
ライティングの塾に参加していたのです。

ライティングと言っても、セールスライティング、つまり売るための文章術、これを学んでいたのです。ちなみに、私も学んでいます。ホームページでお客様の商品サービスを購入してもらうためには、必須のスキルだからです。

それまでは、言ってみれば論文みたいな難解な文章だったのが、格段に読みやすく変わっていました。なので、本当に良かったと読んでいて思いました。

別に難解な論文みたいな文章を書いているから、行政書士として信用できると思っていたわけではありません。あくまで、文章の中身、内容から感じるものとして、信用できる人だと判断していたのです。

セールスライティング最大の落とし穴にはまる

だから、中身、内容が変わらず、表現の仕方、伝え方が分かりやすくなるのであれば、より多くの人が彼のことを信用できる行政書士と思ってくれるようになるはずです。

だけど、彼はセールスライティングの最大の落とし穴にはまってしまいました。セールスライティングを教えた人のせいなのか、彼のせいなのかは分かりませんが。。

最大の落とし穴は何かというと、、、

読み手の感情を不必要に煽ること。

情報商材の販売サイトでよく使われる手法で、人の不安や心配な気持ちをえぐるような、そんな言葉で煽るものです。

あなたはこのままでは3カ月後にはキャッシュが底をついて河川敷で段ボール生活になってしまいます。でも、安心してください。このXXって商品を買って、書いてあることを1日たったの30分作業するだけで、月50万円稼げます。

みたいな感じ。

行政書士なので、さすがにこういう節操のないことは書いていませんでした。でも、昔の彼なら決して書かなかったであろう、そんな投稿になってしまっていたのです。

結局はセールスライティングではなくマーケティングの問題

この手の落とし穴にはまる人に共通していることがあります。

それは、、、
マーケティングができていない、ということです。

そもそも、どんな人がターゲットなのか?
ターゲットの悩みや不安、心配、問題、課題は何なのか?

ターゲティングができていないと、使うべき言葉や表現が決まりません。
そうすると、変な煽り方をして、ターゲットを不快な気持ちにさせてしまいます。

行政書士の投稿のどんな言葉、表現が気になったのかというと、、、

・国勢調査について、期日までに回答しないと調査員が「取り立て」に来る
・給付金は支給が遅いくせに、国勢調査は予定の期日どおりに送られてくる

国勢調査で「取り立て」とか、定額給付金や持続化給付金と性質の違う国勢調査を同じ土俵にあげて給付金の支給が遅いといちゃもんをつける。

どうしちゃったんだ?

というのが正直な感想でした。
でも、もしかしたらきっちり狙って書いている可能性も否定できません。

狙って書いている、つまり、設定したターゲットに伝わる文章を書いていると思っているなら、問題はターゲットの設定の仕方になります。

本当に自分がお客さんにしたいターゲットに向けた文章か?

「取り立て」という表現は、ちょっとキツイ表現を使って注目を集めるのが目的でしょうから、ここはとりあえずおいときましょう。

国勢調査は予定通りだけど給付金の支給は遅いというのは、政府や行政に対して不満をもっている人たちが、SNSで頻繁に投稿している内容です。

こういう投稿をしている人たちがどのような人たちなのか?
その人たちをお客さんにしたいのか?

問題はココです。

セールスライティングでは、ターゲットと共通の敵を設定して、その敵を叩く内容を伝えることで、ターゲットに共感してもらうという手法があります。

この手法を使った投稿であることは理解するのですが、、、

このケースの場合のターゲットって、基本的には政府や行政に対して不満を常日頃からもっている人なのです。税金もらって仕事してるくせに、税金をムダに使いやがって、お役所仕事はラクでいいよなって。

でも、そういう人にとって、行政書士はどんな存在でしょうか?
どう思われているでしょうか?

行政に提出する文書を作成するのに、なんでわざわざ依頼しなきゃいけないんだよ!行政書士に作ってもらわないでも役所が仕事すりゃいんだよ!文書を作る独占業務ってなんだよ!っと思っている人が多いと思いませんか?

もしこういう人をお客さんにしたら、、、

役所に出す文書なのにちんたら遅いんだよ!さっさとやれよ!
いちいち確認してくるな!こっちは内容は伝えたんだから、あとはお前がうまいこと作れよ!

みたいなことを言われるのは目に見えています。

テクニックより大切なのは本質的な理解

なにかノウハウやテクニックを使うときに大切なのは、ノウハウやテクニックそのものではありません。

なぜそのノウハウやテクニックを使うのか?
そのノウハウやテクニックはなんのためにあるのか?

本質を理解しないでノウハウやテクニックを使うと、あとで大きなしっぺ返しがあります。

今は情報が洪水のように溢れかえる時代。
誰かの興味や関心、注意をひくために、目立たなければなりません。見てもらえなければ、何も起きませんから。

でも、せっかく読んでもらうという大きなハードルを乗り越えても、読んでくれる人が、お客さんにしたくない人では意味がありません。

いついかなるときも、自分のビジネスにおけるターゲットはだれか?どんな人なのか?を意識して、ブラさずに一貫性をもって情報発信をしてください。

ページトップへ